📔 日記
ふゆざくら
2026/2/8
夢。家へ帰らなければならない。昔住んでいた家へ向かっている。進もうとすると身体が浮き上がって抵抗がなくなり前進できない。無重力の空間を泳いで進むようだ。S公園まで来た。人がたくさん行き交っている。周りは普通に歩いているのに、自分だけがもがいている。一向に進まない上に、道を間違えた。焦燥感とストレスが募っていく。
今日は選挙なので投票所へ寄ってから、その足で二駅先のM町へ行くつもりで家を出ました。Pieniというトイカメラを買ったので、それで風情のあるM町を写真や動画に撮るつもりでした。キーホルダーみたいに小さなデジカメなので、ポケットに入れていきました。動いていたらあたたかくなるかなとおもってなるべく薄着で出かけました。
投票所の体育館は人がまばらでした。出口でNHKの人が立っていて出口調査を頼まれました。それから駅へ向かいました。空気が冷たく、槍のような寒風が吹きつけていました。歩いているとあたたかくなるどころか、だんだんと身が細っていくような気がしました。おうちに帰りたくなりました。でもここで引き返したらもったいないとおもって鼻水をすすりながら前に進みました。陽が差していますが強い風がなぐりつけてぬくもりはありません。大きな灰色の雲が動いてちょくちょく太陽を遮ります。警察署の前の大きな交差点に来たところで赤信号になったので、家のほうへ向きを変えて通りを渡りました。心が折れました。
帰り道にS公園の中を通ってそこで少しシャッターを切ろうとおもいました。かつてお城があった、お堀に囲まれた大きな公園です。堀の石垣にハトたちがとまって日向ぼっこをしていました。絶壁に器用にとまっているのがおもしろかったです。公園は人が多くいました。寒々とした冬木のなかにあざやかな黄色の花が咲いていました。ポケットのカメラを取り出して撮りました。こんなに寒いのに桜も咲きはじめていました。低木の山桜が何本か芝の上に立っていました。それも撮りました。桜の下に女学生が三人、シートを敷いて座っていました。写真を撮るでもなく、スマホをいじるでもなく、しおらしく横座りをして、向かい合って黙っています。絵になりますが、今のご時世、無闇に他人にカメラを向けることはできません。カメラを提げて歩いても、被写体を探す楽しさより、人の目を気にする窮屈さのほうが勝る現代です。
女学生たちにジロジロ見られながらその場を辞し、寒風吹きすさぶ末枯れた公園を突っ切って家へ向かいました。鼻水が出て、尿意を催します。はやくおうちに帰りたい。近道のつもりで住宅街を横切ったんですが、気が付いたらまたS公園に来てしまいました。勝手知ったる地元のはずが、寒さで判断力がなくなっていたようです。雪山で遭難する人の気持ちがわかった気がします。僕は近所の住宅街で遭難しかけました。はじめてのことではありません。僕は季節を問わず遭難します。
見知った道に出たので、あとは本当に家へ向かいました。昔住んでいた家の近くを通ってすこし懐かしくなりましたが遭難中の今はそれどころではありませんでした。レトロな銭湯の看板があって絶好のシャッターチャンスだったけれど、今は寒さと尿意でそれどころではありませんでした。はやくおうちに帰りたい。こんなに厳しい寒さを経験したのは久しぶりです。首も肩も凝ってくる。関節が痛くなってくる。歩いても歩いても進んだ気がしない。ふと、今朝見た夢の通りになっていることに気がつきました。
ようやく家にたどり着いてお手洗いに飛び込み、暖房とヒーターと電気座布団をフル稼働して一命をとりとめます。そのうち雪がふりだしました。はじめはパラパラでしたが、しだいにさんさんとなりました。近くの山があっという間に白くなりました。雪がふらない地域なので興奮しました。すこしふってすぐにやみました。山の雪化粧に夕日がさしてうつくしかったです。
昼間の外出が身体にこたえて夜は頭が痛くなりました。つくづく僕は遊ぶことが下手だなぁとおもいます。
(動画を撮りました)
・公園の花 ・雪